平成夢十夜 第二夜
こんな夢を見た。
携帯電話が鳴っている、見たことのない番号だ。
「はい」
「あなたは神を信じますか」
低い、落ち着いた男性の声だ。
私は答えた。
「私が神です」
「ふざけないで下さい」
少し早口になる。
「全くふざけているわけではありません」
「あなたは神を冒涜している!」
「冒涜しているのはあなただ、そう思わないのですか」
あいての口調が激しくなるが私は落ち着いた声で問いかけた。
「そんなことをしていると、神の罰が当たりますよ」
「それはあなたに伝えたいことです。よろしい、私が神である証拠をお見せしましょう。
これから10秒後、通話を続けていれば、あなたの電話機が爆発します」
「何を言っているんですか、ふざけるのもいいかげんにしなさい」
「10、9、8、7・・・」
「ふざけるな」
「4・・3・・2・」
私が1、というのと同時に電話が切れた。
電話番号通知でかかって来ていたので、こちらからかけ直そうかと思ったが、電話料金がもったいないのでやめた。
そのまま電話を見つめていると、電話が熱くなってきた。
もうすぐ爆発する、そう思ったので電話を窓の外に投げた。
電話は庭の薔薇の上で音を立てずに爆発した。